センターの活動
22.2009年度 第1回鉄文化シンポジウム『たたら製鉄の歴史と技術』
これまで当センターでは、2回の国際シンポジウムを開催しました。2007年の第1回(こちらも参照)においては、現在調査進行中である四川省の製鉄遺跡に関する講演を行い、第2回(こちらも参照)では、トルコ・アナトリア高原、モンゴル、そして中国における国家形成と鉄との関係について議論を交わしました。東アジアにおける鉄文化研究が、ユーラシア規模でも推進する必要のあることを認識しました。
その一方で、足下である日本列島における鉄技術や文化も重要な研究課題です。西アジアに発し東漸した鉄文化の最終到達点が日本列島であり、伝統的製鉄技術であるたたら製鉄の源流を探ることが、東アジアの鉄文化を知るための出発点と言えるでしょう。
このような観点のもと、今回は第1回鉄文化シンポジウムとして、日本列島独自のたたら製鉄に焦点を当て、考古学、伝統的製鉄技術、金属学といった多角的視点から講演・討論会を行いました。
その一方で、足下である日本列島における鉄技術や文化も重要な研究課題です。西アジアに発し東漸した鉄文化の最終到達点が日本列島であり、伝統的製鉄技術であるたたら製鉄の源流を探ることが、東アジアの鉄文化を知るための出発点と言えるでしょう。
このような観点のもと、今回は第1回鉄文化シンポジウムとして、日本列島独自のたたら製鉄に焦点を当て、考古学、伝統的製鉄技術、金属学といった多角的視点から講演・討論会を行いました。
センター長講演 | 上栫先生講演 | 木原先生講演 |
永田先生講演 | 討論会の様子 |
初日には、まず当センター長により、東アジアの視点から、日本独自のたたら製鉄の発展史を論じていただきました。
上栫武氏(古代吉備文化財センター)には、発掘成果に基づき、古代から近世に至るたたら製鉄の技術的発展と景観の変遷を具体的に解き明かしていただきました。
木原明氏(国選定保存技術保持者)には、長年にわたる経験・研究に基づき、極めて科学的にたたら製鉄技術を論じていただきました。
そして永田和宏教授(東京工業大学)には、冶金学的観点から謎の多いたたら製鉄技術の特異性を、非常にわかりやすく解き明かしていただきました。
二日目の討論会では、来場していただいた方々のご意見・ご質問も踏まえ、講演者によりさらに活発な議論が行われました。 その結果、日本独自のたたら製鉄の研究に関して一定の共通理解を得ることができましたが、議論は尽きることなく、まだまだ多くの点で調査・研究の発展が望まれます。
二日目の討論会では、来場していただいた方々のご意見・ご質問も踏まえ、講演者によりさらに活発な議論が行われました。 その結果、日本独自のたたら製鉄の研究に関して一定の共通理解を得ることができましたが、議論は尽きることなく、まだまだ多くの点で調査・研究の発展が望まれます。