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センターの活動

18.講演会『2009年度活動報告』6月27日

 当センターでは年1回のシンポジウムとともに、年に2〜3回をめどに、ひろくアジアの歴史を扱ったアジア歴史講演会を開催しています。第4回目となる今回は、センターの新たな調査活動や研究員個人の研究状況などを報告しました。

 まずセンター長村上恭通教授の講演「シベリア騎馬民族の初期鉄器生産」では、これまでほとんど公にされることのなかったロシアのシベリア南部ミヌシンスク盆地の鉄製品に関して調査報告がされました(こちらも参照)。この地域は古代において北方騎馬民族と漢民族の文化が交錯した地帯であり、その鉄製品にも両者の文化の影響が見られます。中国漢民族の鉄器文化と周辺民族の鉄器文化の関係を知る上で非常に重要な資料であり、今後の調査継続が期待されます。

次いでセンター佐々木正治助教により、「アジアの米搗き」と題し、研究報告がされました。ここでは中国漢代の墓葬画像に見られる米搗きの場面を、日本を含めたアジアの文献史料・民俗事例などと比較しながら、その意味を探りました。稲米を脱穀・精白する場面は日本の弥生時代の銅鐸にも描かれており、稲作の中でも象徴的な意味合いを古代の人々は感じ取っていたのかもしれません。

センター長講演 李陵邸宅瓦
センター長講演 「李陵の邸宅」出土瓦(ミヌシンスク博物館)

佐々木助教報告 舂米図
佐々木助教講演 四川省新都県出土“舂米図”

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