第4回地域創生イノベーター育成プログラム(南予)開催

2021.11.01 教育活動

地域創生イノベーター育成プログラム(南予)の第4回が令和3年10月30日(土)に開催されました。今回は「南予の現状と課題」について3限、「プロジェクト」について2限の講義を行いました。

 1限目は、愛媛県南予地方局地域政策課長の村上久さんから「南予地域の移住促進の取組みについて」について説明をいただきました。南予地域の概要について社会統計指標を用いて人口、産業の変化を追った後に、災害に対する復旧、復興、防災に対する土木行政について説明いただきました。そして、人口減少に対しての愛媛県の移住・定住に対する取り組みについてワ―ケーションを中心とした取り組みや南予きずな博について説明いただきました。

村上久先生の講義

2限目は、大洲市総合政策部企画情報課長の矢野雅之さんから「きらめくおおず」というテーマで大洲市の人口、産業、地域資源の概要と平成30年7月豪雨からの復旧・復興のあゆみを説明いただきました。その後、大洲市商工観光部長の武田康秀さんから「官民連携の観光まちづくり」というテーマで、大洲城を始めとした歴史・文化資源を紹介いただき、施設観光から生活文化観光への変化を古民家群の保全の官民連携の取り組みについて具体事例を用いて説明いただきました。

矢野雅之先生・武田康秀先生の講義

3時限目は、八幡浜市総務企画部政策推進課係長の堀口貴史さんから「八幡浜市の概況・課題」について人口減少の問題の大きさを改めて説明いただき、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の取り組みを紹介いただきました。その後、八幡浜市産業建設部農林課主事の松島亮太さんから「八幡浜市の農業振興」について、農業の現状を社会統計資料を用いて説明いただき、生産力の維持のためにスマート農業の推進、担い手の確保・育成、収穫期の労働力確保、鳥獣害対策を、販売力の強化ために、品質の向上、6次産業化、マーマレード世界大会をはじめとした柑橘産地のPR活動の具体例をもとにして解説頂きました。そして、八幡浜市産業建設部商工観光課係長の松浦宏昭さんから「八幡浜市の観光施策」について、みなっとや黒湯、そうめん流しなどの観光地の紹介とイベントを主体とした誘客方法、着地型観光と体験コンテンツを紹介いただきました。

堀口貴史先生・松島亮太先生・松浦宏昭先生の講義

4限目は、地域協働センター南予センター長の松村暢彦さんから、「経験学習にもとづいた学習方法~社会人になって何をどう学ぶのか~」について、「深く、大きく考えて行動する」ことの重要性をコルブの経験学習理論を用いて大学教育の実例を踏まえながら解説いただきました。その際には、Repeat、Respect、Rockの3Rに留意すること、内省化と教訓の概念化がキーとなることを話しました。そのうえで、自分の学習スタイルの幅を広げて、状況に応じた学習スタイルを使えるようにすることがこれから必要とされることを紹介しました。

松村暢彦先生の講義

5限目は、地域協働センター南予センター長の松村暢彦さんから、「課題の明確化の方法」について、地域のつかみ方、課題意識の広げ方と絞り方、課題の構造化の方法について説明しました。地域のつかみ方については、体験を積み上げてつかむことを基本として、社会統計資料を用いて客観的な指標でつかみ、さらに主観的評価、地図等を用いて歴史でつかむことの大切さを解説しました。課題意識の広げ方と絞り方については、インターネット検索を活用して思考の広がりとつながりを楽しむことを心がけるとともに単にしらべたことをまとめるのではなく、問いの設定と検証のプロセスを繰り返しながら問いを鍛えていくことが大切であることを説明しました。そのうえで問題構造の明確化の方法として、よく用いられるKJ法について改めて解説し、単にブレーンストーミングで終わるのではなく、グループ化、構造化、文章化のプロセスを行うことではじめて、問題構造をとらえられることを示しました。

 

 

 

松村暢彦先生の講義

次回は、11月14日(日)になります。南予地域の各市町での課題とその対策について講義を行います。