センターの活動
58.第13回アジア歴史講演会(2013年1月26日)
今回は、新井宏先生に昨今話題のAMS炭素年代測定法による弥生時代の新し年代論について、お話をいただき
ました。新井先生は日本金属工業にお務めになりながら、とくに理化学的分析をめぐる考古学や歴史学に鋭く
持論を展開されてこられました。1992年に吉川弘文館から上梓された『まぼろしの古代尺−高麗尺はなかった』
は、膨大なデータに基づく高麗尺の新説を提示された著作でした。今回のご講演では、同じく長年にわたる年代
論に関する世界中のデータや文献の蓄積に基づいたAMS年代論の問題点には、文系を主な出身とする考古学関係
者には学ぶところが多くありました。全球に普遍的な年代測定法に対する誤解、土器付着木炭そのものがもつ
吸着性の問題、分析前のアルカリ処理による影響など非常にわかりやすく説明していただきました。
今回は瀬戸内海考古学研究会との共催でもあり、同研究会の下條信行会長と谷若倫朗副会長に挨拶もいただき ました。理化学的な分析を懐疑的批判的に見るだけでなく、考古学者自身もこれまでの視点や方法を常に再検討 する姿勢をご指摘され、閉会いたしました。当日は県内外から、会場が満席になるほど、多くの方のご来場があ り、新井宏先生の理系の視点ならではの年代論とその話術に引き込まれておられました。
今回は瀬戸内海考古学研究会との共催でもあり、同研究会の下條信行会長と谷若倫朗副会長に挨拶もいただき ました。理化学的な分析を懐疑的批判的に見るだけでなく、考古学者自身もこれまでの視点や方法を常に再検討 する姿勢をご指摘され、閉会いたしました。当日は県内外から、会場が満席になるほど、多くの方のご来場があ り、新井宏先生の理系の視点ならではの年代論とその話術に引き込まれておられました。
講演の様子 | ご著書『理系の視点からみたの「考古学」の論争点』 |
満席のなかでのデスカッション | 聴講者の方との活発な議論 |