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センターの活動

16. 松野町で「河後森城の出土品から探る戦国時代の鉄」開催
2009年3月8日

  北宇和郡松野町で同町の国史跡、河後森城にちなんだ歴史・教養講座が開催されました。河後森城では多数の鉄製品や鍛冶に関連する遺物が出土していますが、今回の講座では当時の生活と鉄との関係に焦点が当てられました。まず村上が「河後森城の時代の鉄器」と題して報告し、古代以降の絵巻物に現れた鉄の道具を示しつつ、河後森城出土の鉄器の使い方を解説。また鍛冶の際に生ずるカス(鉄滓・金くそ)も数多く出土していることから、郭の各所で鉄器生産が行われていたことを説明。さらに建物、塀、盾などさまざまな箇所に採用されていた大小さまざまな釘の話をしたのち、「釘千年のいのち」で知られる松山市在住の鍛冶師 白鷹幸伯氏を紹介し、白鷹氏の鍛冶の話に会場の多くの人が惹きつけられました。

 その後、会場を屋外に移し、天幕の下に設置した鍛冶場で白鷹さんの実演がはじまり、炉の周りに人だかりができました。今回の講座のもう一つの目的は、この3月卒業する松野町内の小学6年生の鍛冶体験。教科書に登場する白鷹さんに会いたい、白鷹さんといっしょに釘を鍛えたい、という6年生の願望を小学校の先生や松野町教育委員会の高山剛さんたちが努力し、実現しました。6年生は計3箇所の鍛冶炉で釘作り。2基は電動送風機(ブロワー)、1基は鳥取・妻木晩田遺跡での実演に続き、再度センターの皮鞴が登場。最初は恥ずかしがって遠巻きに見ていた子どもたちもいつの間にか炉の近くで鎚をふるっていました。40名をこえる6年生が釘を鍛え、最後に白鷹さんと記念撮影をして解散しました。

 鍛冶体験に参加した小学生たちは、自分たちで鍛えた釘とは別に、河後森城出土品をモデルに白鷹さんが鍛えた釘を卒業記念にプレゼントされたようです(村上)。

鞴の操作 鍛冶
1.白鷹さんによる鍛冶の実演(1) 2.白鷹さんによる鍛冶の実演(2)

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