国立慶国大学校醴泉キャンパス生涯教育院の皆さまが南予地域を訪問

2026.09.11 お知らせ

2026年9月9日(水)から11日(金)まで、韓国・慶尚北道にある国立慶国大学校醴泉キャンパス生涯教育院の職員・社会人学生の皆さまが、地域協働・地域人材育成に関する交流を目的として愛媛県を訪問しました。

今回の訪問は、慶国大学校の「地域生涯学習指導者養成・再教育事業―日本における地域連携プラットフォーム先進事例研修―」の一環として実施されたものです。国立慶国大学校からは、生涯教育院の職員2名と社会人学生18名の計20名がご参加され、南予地域を訪問されました。

韓国と日本に共通する社会課題の一つである「地方における人口減少の進行」を背景に、地方大学が社会人を対象としたリカレント教育を通じて、どのように地域人材を育成し、地域課題の解決や地域づくりにつなげていくのかをテーマとして、愛媛大学地域協働センター南予の「地域創生イノベーター育成プログラム南予」をはじめ、南予地域における地域づくりの実践事例を視察されました。

9月9日には愛媛大学城北キャンパスを訪問し、愛媛大学ミュージアムを見学するとともに、愛媛大学地域協働推進機構の関係者との挨拶・意見交換を行いました。

翌10日午前には、西予市宇和町卯之町にある愛媛大学地域協働センター南予を訪問しました。

まず、大本敬久副センター長が講師・コーディネーター役となり、愛媛大学地域協働センター南予の役割や、社会人リカレントプログラム「地域創生イノベーター育成プログラム南予」の取組について紹介した後、両大学の社会人受講生等を対象とした合同講義を実施しました。合同講義には、今年度および昨年度の「地域創生イノベーター育成プログラム南予」の受講生・修了生6名も参加し、「人口減少社会における地域人材育成」をテーマに、日韓双方の参加者による活発な意見交換が行われました。

地域課題や社会人教育について、それぞれの地域での経験を紹介しながら意見を交わすことで、参加者同士の交流が深まり、双方にとって新たな学びを得る機会となりました。

合同講義終了後は、西予市宇和町卯之町の町並みを訪れました。昼食は、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている卯之町の町並みの中にある江戸時代建築の「池田屋」でいただきました。

昼食を囲みながら、愛媛大学「地域創生イノベーター育成プログラム南予」の修了生である和田正さん、岩崎真弓さんから、地元食材を使った季節感のある料理とともに、卯之町で現在取り組まれている地域活動についてお話を伺いました。地域で暮らす人が主体となって地域の魅力を発掘し、地域活動につなげていく取組について、韓国の参加者からも多くの質問が寄せられました。

その後、卯之町の町並みを歩き、宇和民具館では仙波香菜子職員の解説で展示を見学し、地域に残る歴史資料や民俗資料、町並みを実際に見学することで、地域資源を活用した地域づくりについて理解を深めました。

その後、西予市野村町へ移動し、西日本豪雨からの復興まちづくりについて現地視察を行いました。「語り部108のむら」のシーバース玲名さん、清家真理子さんによるガイドのもと、豪雨による被害の状況や、その後の復興の過程について、実際の地域を歩きながら説明を受け、野村地域づくり活動センターにおいて意見交換会を行いました。特に参加者の関心を集めたのが、野村地域で行われた復興まちづくりワークショップについてです。大きな災害を経験した地域において、住民同士がどのように話し合い、意見を集約し、地域の将来像について合意形成を図っていくのかという点について、韓国の参加者からも積極的な質問や意見が出されました。人口減少という共通の課題に加え、地域住民の参加による地域づくりや合意形成というテーマについて、日韓双方の参加者がそれぞれの地域の状況を比較しながら考える機会となりました。

最終日の9月11日には、内子町を訪問しました。内子自治センターでは、内子町役場町並み保存センターの池田あかりさんから、これまで内子町が取り組んできた「まちづくり」や「町並み保存」についてお話を伺いました。その後、重要伝統的建造物群保存地区に残る町並みを歩き、上芳我邸などを見学しました。歴史的な町並みを保存するだけでなく、それを地域の魅力として活用し、地域づくりや地域活性化につなげてきた内子町の取組について、現地で学ぶ機会となりました。昼食は道の駅「からり」でとり、3日間にわたる南予地域での研修を終えました。その後、国立慶国大学校の皆さまは松山空港から帰国されました。

今回の交流のきっかけとなったのは、7月下旬に大本敬久・愛媛大学地域協働センター南予副センター長が、アジア比較民俗学会への参加・登壇のため国立慶国大学校を訪問したことでした。その際、国立慶国大学校醴泉キャンパス生涯教育院の皆さまと直接お会いし、地域人材育成や生涯教育について意見を交わしたことから、今回の南予地域への団体訪問が実現しました。

今回の3日間では、地域協働センター南予での社会人教育の取組だけでなく、卯之町の町並み保存、地域活動、野村地域における豪雨災害からの復興まちづくり、そして内子町における町並み保存と地域活性化など、南予地域各地の実践を実際に見て、聞いて、考える機会となりました。

また、人口減少をはじめとする共通の社会課題を抱える醴泉郡と南予地域が、今後どのような形で交流し、地域人材の育成や地域づくりにつなげていくことができるのかについても、具体的なアイデアを出し合いました。今回の訪問を一つの契機として、国立慶国大学校と愛媛大学、そして醴泉郡と南予地域との交流をさらに深め、地域人材育成や地域課題の解決に向けた継続的な交流・協働につなげていく予定です。

最後になりましたが、今回の訪問対応にあたり、合同講義への参加をはじめ、卯之町、野村、内子など南予各地での視察・交流にご協力いただいた地域の皆さまに、心より御礼申し上げます。国立慶国大学校の皆さま、3日間の南予地域での研修、本当にありがとうございました。また南予地域で、または醴泉キャンパスでお会いできることを楽しみにしています。