防災情報研究センターニュース

第40号  2008.8.25

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<報告> 四国防災センター連携協議会が発足しました

<報告> 四国防災センター連携協議会が発足しました

 8月22日(土)、四国における防災研究の戦略的推進を図るため、大学等に設置された防 災関連研究センターが連携することを目的に、四国防災センター連携協議会の設立総会が開 催され、同協議会が発足しました。
 この協議会は、2004年に徳島大学環境防災研究センター、2006年に高知大学総合研究セン ター防災部門、愛媛大学防災情報研究センター、2008年には香川大学危機管理研究センター が設置され、四国4県に防災研究拠点が整備されたのを契機に、防災研究の連携の機運が盛 り上がり、設立の運びとなりました。
 設立総会では、協議会規約の審議の後、初代協議会会長に徳島大学の岡部センター長を選 出するとともに、副会長等の役員の選出が行われました。
 続いて、新会長のもと、平成20年度の事業計画が審議され、当面の活動として「建設産業 におけるBCP策定技術の開発」と「四国防災技術開発5カ年計画の策定」を進めることと しました。
 本協議会の設立により当センターの活動にも、厚みを増すことが可能となり、連携の成果 を早く皆様にお示しできるよう、活動を展開していく予定です。また、四国防災センター連 携協議会との後援が増えると思いますので、ご承知おきください。
                                   (文責 鳥居)




第39号  2008.8.7

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<報告> 「平成20年岩手・宮城内陸地震調査団報告会」を開催しました

<報告> 「平成20年岩手・宮城内陸地震調査団報告会」を開催しました(平成20年7月31日)

 これは、6月14日(土)に岩手県南部で発生した地震に関する現地調査の報告会で、防災情報 研究センターの鳥居謙一副センター長、高橋治郎アジア・地域防災部門長、(株)ニュージェッ クの滝田良基さん、四国地方整備局の藤川昌幸防災対策官の4人がそれぞれの視点から報告を 行いました。

 まず、柏谷増男センター長の挨拶の後、鳥居副センター長が、地震のメカニズム及び、土砂 災害に比べて家屋被害が軽微であったことや、中山間部においては孤立者が発生し、かつ復興 に時間がかかる実情を撮影したビデオを交えながら説明しました。
 次に、高橋部門長が、東北地方に広く分布するグリーンタフと第四紀火山岩類よりなる当概 地域の地質の脆弱さについて説明するとともに、直下型の地震について解説しました。これら を踏まえ、四国では岩石の強度や南海地震の震源地を考慮すると、多量の水を含有していなけ れば荒砥沢ダム湖の北側で発生したような大規模な地すべりは発生しないだろうと結論づけま した。
 続いて、滝田さんより、調査地の地質について簡単な説明の後、現地調査を行った地震災害 のうち斜面災害について、様々な形態の崩壊が見られたこと、他地震に比べ大規模な崩壊が目 立ったことなどが写真をもとに報告されました。また、今回地震が活断層の無かった箇所で発 生し、水平動に比べて上下動が卓越した特異な地震であったことが紹介され、防災上の今後課 題として想定外地震への対策や中山間地の防災・減災対策、外来者の防災対策などが提示され ました。
 最後に、藤川防災対策官が、今回の地震における緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の活動に ついて紹介をした上で、将来四国地域において東南海・南海地震が発生した場合に備えて、被 災地外からのTEC-FORCE受け入れ体制の整備が必要不可欠であり、今後の四国地方整備局の課 題であると話をされました。
 
 なお、当日は自治体の土木・防災関係者や、建設業者等の約90人が参加し、また多数の報道 機関の取材も入り、地震に対する関心の深さが伺えました。


第38号  2008.7.25

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<報告@> 多喜浜小学校で平成20年度合同総合防災訓練が実施されました

<報告A> 文部科学省「防災教育支援モデル地域事業」に採択されました

<報告@> 多喜浜小学校で平成20年度合同総合防災訓練が実施されました


 平成20年7月13日(日)の9:00〜11:45に、多喜浜小学校の運動場と体育館を会場にして 大規模地震発生を想定した合同総合防災訓練が実施されました。主催は多喜浜小学校 (校長:渡部範明)で、PTAや多喜浜自治会、多喜浜公民館、愛媛大学防災情報研究セン ターなど多くの組織が共催して実現したものです。目的は災害時に避難所となる学校で、 学校関係者や行政だけでなく、保護者や地域、さらには児童まで含めて、避難所本部を 立ち上げる訓練の実施にあります。
 参加者は多喜浜小の児童と教職員259名、保護者172名、自治会67名、それに多喜浜公 民館に多喜浜消防分団、新居浜市教育委員会や安全防災課、消防署、愛媛大学など、総 計500名を超え、8班(給水班、仮設テント設営班、簡易トイレ班、救急班、救出班、土 のう作り班、ボランティア班、炊き出し班)に分かれて全体訓練を行った後、消防団によ る消火・放水訓練、煙体験、それとバケツリレーによる消火訓練を実施し、最後に保護 者への引き渡し訓練で全プログラムを終了しました。梅雨明けの暑い中での訓練でした が、小学校1年生から70歳を超える方まで誰一人ダウンすることもなく、見事に各プロ グラムが実施されました。なお、本訓練には佐々木新居浜市長や阿部新居浜市教育長も 挨拶に駆けつけてくれました。
 今回の防災訓練の特徴は大規模災害時に避難所となる小学校を舞台として、被災者で もある教職員や地域住民、それに児童まで含めて、避難所設営の主体者として活動する ところにあり、全国的にも非常に珍しい取り組みで、この様な活動が全国に展開される ことが期待されます。なお、マスコミの関心も高く、地元テレビ局や新聞社などが取材 に訪れており、今回の活動が広く情報発信されました。
 

<報告A> 文部科学省「防災教育支援モデル地域事業」に採択されました


 これは、文科省が防災教育の積極的かつ継続的な取組を目指し、防災教育の受け手で ある児童生徒や地域住民等に対する教育内容・方法の充実や、防災教育に携わる人材(担 い手・つなぎ手)の育成等を支援するため、全国からモデル地域を公募していたもので、 当センターの矢田部 龍一教授(社会基盤整備部門長)の「新居浜市小中学校における防 災教育の展開」が採択されました。
 具体的な活動としては、小学高学年向けの防災副読本の作成、防災担当教諭向けの防 災教育研修プログラムの開発と実施、小学校と地域が一体となった合同総合防災訓練プ ログラムの開発と実施、四国防災八十八話に学ぶ防災作文コンクールの実施やウェブを 通して学ぶ雨量と河川水位などを実施していく予定です。
 今後の活動へのご協力をよろしくお願い致します。



第37号  2008.7.22

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<報告>「建設産業におけるBCP啓発普及に関する研究」スタート

<報告>「建設産業におけるBCP啓発普及に関する研究」がスタートしました。

 標記研究が、徳島大学の中野先生と愛媛大学の鳥居の共同研究として、(財)四国 建設弘済会の研究助成に採択されました。
 この研究助成では、四国4県での講習会の開催、全体フォーラムの開催およびケー ススタディーが内容となっています。
 ケーススタディーの実施について、高知大学の大年先生、香川大学の白木先生及び 四国建設青年会議と連携をとりつつ、四国4県で実際にBCPの策定にチャレンジす ることになりました。
愛媛地区では、久保興業(株)がBCPの策定にチャレンジすることになり、7月22日 (火)に第1回BCP策定委員会が開催され、キックオフ宣言が発表されました。今後、 委員会は毎月1回のペースで開催され、概ね1年をかけてBCPを策定する予定にして おります。策定の状況は、一般から募集した会員で構成されるBCP研究会愛媛県部会 (仮称)で披露して、BCP策定について意見交換を行う予定です。後日参加者を募集 しますので、奮ってご参加下さい。
さらに、愛媛大学防災情報研究センターと一緒にBCPの策定をする積極的な企業を 募集しています。興味をお持ちの企業・会員の方は、メルマガ事務局までご連絡下さい。


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第36号  2008.7.18

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<ご案内>平成20年岩手・宮城内陸地震調査団報告会 開催のご案内 (追加)

<ご案内>平成20年岩手・宮城内陸地震調査団報告会 開催のご案内 (追加)

  7月12日〜14日にかけて、当センターの鳥居副センター長、高橋部門長が岩手・宮城 内陸地震の現地調査に行って参りました。調査結果の報告会に関して、報告者の追加、 演題の変更等ありましたので、再度ご案内致します。
 皆様のご参加をお待ちしております。

 【日時】平成20年7月31日(木) 14:00〜16:00  (変更無し)
 【場所】愛媛大学メディアホール  (変更無し)
 【演題】
    ・「岩手・宮城内陸地震の概要と現状」  鳥居 謙一 (愛媛大学)
    ・「四国の地質から見た、岩手・宮城内陸地震による
              地すべり・崩壊について」 高橋 治郎(愛媛大学)
    ・「斜面災害の特徴と今回地震の特異性」   滝田 良基 ((株)ニュージェック)
    ・「東南海・南海地震に備えて−TEC-FORCE−」  藤川 昌幸 (四国地方整備局)
 【定員】100名
 【申込み方法】氏名・所属・連絡先を記載し、7月28日(月)までに、下記へMail又はFax
        にてお申し込み下さい。 (既にお申し込み頂いた方は不要です。)
        
       愛媛大学社会連携支援部社会連携課
       社会連携拠点チーム
       E-mail: kensien@stu.ehime-u.ac.jp
Fax: 089-927-8820
       Tel: 089-927-8142 



第35号  2008.7.10

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<予告>平成20年岩手・宮城内陸地震調査団報告会 開催のご案内

<予告>平成20年岩手・宮城内陸地震調査団報告会 開催のご案内


 第33号にてお知らせしましたが、6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震について、 当センターより、鳥居副センター長、高橋部門長を現地調査に派遣します。  調査結果について、下記の要領で報告会を開催致しますので、興味のある方は、奮っ てご参加下さい。 

 【日時】平成20年7月31日(木) 14:00〜
 【場所】愛媛大学メディアホール
 【演題(仮)】
    ・「地震の概要」  鳥居 謙一 (愛媛大学防災情報研究センター)
    ・「地滑り」     高橋 治郎(愛媛大学防災情報研究センター)
    ・「TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)」藤川 昌幸 (国土交通省四国地方整備局)
 【定員】100名
 【申込み方法】氏名・所属・連絡先を記載し、7月28日(月)までに、下記へMail又はFax
        にてお申し込み下さい。
        
       愛媛大学社会連携支援部社会連携課
       社会連携拠点チーム
       E-mail: kensien@stu.ehime-u.ac.jp
Fax: 089-927-8820
       Tel: 089-927-8142 



第34号  2008.6.30

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<報告>地域建設業者版のBCPの研究のための勉強会が開催されました。

<報告>地域建設業者版のBCPの研究のための勉強会が開催されました。


 6月25日(水)、マリンパレスさぬき(高松市)において、四国建設青年会議 の共催でBCPに関する勉強会が開催されました。
 これは、徳島大学の中野先生と当センターの鳥居の共同研究「建設産業におけ るBCP策定技術の開発」(四国建設弘済会助成)の推進にあたって四国建設青 年会議(会長:二神 一誠)にご協力をいただくことになり、これを契機に会員 等の理解を一層深めるために開催されたものです。四国建設青年会議では昨年度 も中野先生を招いて勉強会を開催しており、2回目の勉強会となりました。
 まず、中野先生からBCP策定の手順等について説明を受けた後、演習として 「代替連絡拠点の選定」について取り組みました。参加者には、「本社も支店も 浸水区域内にある。移転するには莫大な費用がかかる」と途方に暮れている人も いらっしゃいましたが、中野先生から「柔軟に考える。できるだけ費用のかから ない方法を見つける。協力会社の社屋を借りるのも1つの方法」とのアドバイス がありました。
 次に、現在BCPの策定を進めている亀井組の久次米さんより事例報告があり、 社内に委員会を設置して月に1度のペースで議論していることや、だんだん難し くなり委員会後も各部署と議論をすることも多くなったことなどをご紹介いただ きました。
 今後、各県から1、2社ずつ実際にBCPの策定に取り組むことになりました。
 オブザーバーとして出席された四国地方整備局の山本防災課長は、「大学、民 間、行政が連携してBCPの策定を応援していきたい。」とコメントされていま した。

                                  (文責:鳥居)


第33号  2008.6.27

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<報告@>岩手・宮城内陸地震速報会が開催されました。
<報告A>岩手・宮城内陸地震調査団を派遣を決定しました。

  

<報告@>岩手・宮城内陸地震速報会が開催されました。

 6月20日東京四ツ谷の土木学会講堂で、土木学会、地盤工学会、日本地震工学会、 日本地すべり学会合同調査団による岩手・宮城内陸地震速報会が開催され、約450 人が参加しました。(会場からあふれて廊下で聞いている人もいるほどでした。)  詳細は、土木学会のHPを参考にして下さい。当日配布された資料が掲載されています。

     

<報告A>岩手・宮城内陸地震調査団を派遣を決定しました。

 当センターでは、地震発生直後から調査団の派遣を検討しておりましたが、行方不明 者の捜索状況、被災状況、道路の規制状況を判断した結果、地震発生から1か月後にあ たる、7月12〜14日に鳥居副センター長、高橋部門長の2名を派遣することを決定 しました。追って、報告会のご案内をします。また、当センターと合同調査を希望され る方は、ご連絡ください。  
                                  (文責:鳥居)



第32号  2008.6.26

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<報告>事業継続計画(BCP)の意見交換会が開催されました。

  

<報告>事業継続計画(BCP)の意見交換会


 さる6月18日(水)に四国地方整備局で事業継続計画(BCP)の意見交換会が開
催されました。
 今年度、徳島大学の中野晋先生と当センターの鳥居が、共同研究「建設産業におけ
るBCP策定技術の開発」を(社)四国建設弘済会の研究助成を受けて実施することに
なっています。

 本意見交換会は、同研究の実施及び今後のBCP普及啓発のためのプラットフォーム の形成を目指して、整備局および中野・鳥居が呼びかけて、非公式に開催されたもの です。
 意見交換会には、白木教授(香川大)、中野教授(徳島大)、柏谷教授(愛媛大)、 大年教授(高知大)、菊池企画部長(整備局)の他、徳島県、香川県、高知県、香川 県建設業協会、建設コンサルタント協会四国支部、日本道路建設業協会四国支部、日 本土木工業協会四国支部からご参加いただくことができました。

【意見交換会での主な意見を紹介します】
・国の東南海・南海地震の地震防災戦略では、BCPを策定している企業の割合を、今
 後10年間で大企業でほぼすべて、中堅企業において過半数を目指すとしている。
・津波を対象とした場合、浸水エリア内の企業には多大な被害を想定され、どのよう
 な事業継続計画を策定できるかがポイント。
・復旧用の資材・機材を各社個別に備蓄・保有しているが、共同備蓄・保有ができな
 いか。
・災害協定が輻輳しているのでは。整理が必要。
・BCPを普及させるために、入札時の技術力の評価とリンクさせる必要がある。
・整備局の立場からすると、各企業がBCPを策定した結果、確実に復旧に参加できる
 人員と機材はどこにあるのかが知りたい。
・国、県、市町村のどの施設を復旧するかは、地域によって優先度が異なっている。
 地域の建設会社に複数の機関から復旧の指示が下りた場合、企業はどの指示を優先す
 べきなのか。地域の建設企業としては、取引先の関係もあるので、公表できないかも
 しれないが、BCP策定時には考えておくべきテーマ。
・地方の建設会社は、固定資産税対策として建設機械のリース化が進んでいる。復旧
 作業の遅れも心配される。税金の減免のような方策はないのか。
・地域、経過時間によって優先順位が異なるので、限られた資源を有効に使うという
 観点からすると、市町村単位ぐらいの地域制の復旧の方が効率がいいのではないか。
・防災全体の流れの中で考えると、建設産業のBCP(非常時の資源)を前提に、国、県、
 市町村が調整をして、地域のBCP(復旧の優先順位)が策定されていくのではないか。
 建設産業だけを相手にしていては、狭いのでは。
・地域の防災力という観点からすれば、全産業のBCPの策定を啓発する必要がある。
 具体的な事例を積み上げていくことが大切であり、まず災害に関係している建設産業
 でスタートし、全産業をリードすることが重要。

  以上の意見を踏まえて、BCP啓発・普及のための組織(協議会)を公式に設立すること
 となりました。当面、協議会では、普及啓発活動と地域BCPを目指したロードマップの策
 定が主なテーマとなります。
  今後ともBCPの動きにつきましては、メルマガで配信していきたいと思っています。
 メルマガ会員様でBCPを策定されている企業の方からのご投稿を待っています。

                                  (文責:鳥居)



第31号  2008.6.13

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<報告>「落石対策に関する研修会

  

<報告>「落石対策に関する研修会」

去る6月10日、主催:地盤工学会四国支部、共催:愛媛大学防災情報研究センター、
後援:国土交通省大洲河川国道事務所により「落石対策に関する研修会」が開催されました。
会場となった大洲河川国道事務所の会議室には、南予の県、市町、国等の職員74名が参加し、研究報告に耳を傾けていました。
官学連携の初めての研修会であり、また、南予地域の国県市町の土木技術者が一同に会するのも初めてではないかと思います。
大洲河川国道事務所では、継続的に研修会の開催を計画しており、ますますの発展を期待するとともに、センターとしても支援していきたいと考えています。
なお、本件については、地盤工学会四国支部落石対策研究員会の右城委員よりご投稿をいただいております。HPに掲載しておりますので合わせてご覧ください。

                                  (文責:鳥居)


落石対策に関する研修会の報告 (rakuseki.pdf,205KB)


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