防災情報研究センターニュース
第50号 2008.10.8
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<案内>第3回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第3回/全11回)第3回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第3回)
直面するリスクについての議論の続きです。洪水に続き、地震について議論しました。
発動基準について、「国土交通省は震度4以上で点検を行っている。」「訓練も兼ねて、 年に1回程度、発動する程度がいいのでは?」など意見が出され、「内子で震度4以上」とい うことになりました。
被害想定については、「本社社屋の倒壊」「生コンプラントの被害」「工事現場での仮設 物の被害」「工事現場周辺の法面崩落」「採石場の切羽の崩落」「採石プラントの被害」 「輸送路の被害」「ライフラインの被害」などが出されました。
2次災害については、「現場周辺等の住宅へ影響が発生する可能性もある。」ということに なりました。
雷の議論は省略します。
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防災情報研究センターでは、私たちと一緒にBCPを策定する企業を募集しています。
希望される企業の方は、メルマガ事務局まで、ご連絡ください。
(本研究は、(社)四国建設弘済会の研究助成の一貫です。)
第49号 2008.10.6
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<案内>第3回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第2回/全11回)第3回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第2回)
まずは直面するリスクについて、前回の委員会を受けて整理することにしました。災害と して、地震、洪水、インフルエンザが前回指摘されていました。事務局と相談して、とりあ えず地震、洪水、雷を議論することにしました。雷を加えたのは、落雷によるPCデータの 消失をイメージしてもらうためです。各災害について、BCP発動基準、自社の被害想定、2次災害想定を議論することにしま した。自社の被害想定や2次災害想定は、重要業務を遂行する時の自社の状況の認識を共有 する狙いがあります。
最初に洪水について議論しました。平成17年洪水で本社周辺が浸水した経験がありました。
・BCP発動基準について議論を始めました。
「樋門のゲートを閉めると、一気に水位が上がる」
「私は消防団員だが、消防団の体制の連絡が入る」
「時間雨量、日雨量が重要である」
「小田川の警戒水位が目安ではないか」 「時間的に余裕のある基準を設定する」
「待機、出動と段階的な体制を検討する必要がある」
などの意見が出されました。
・次に、洪水時の被害想定です。
「本社社屋の1階部分が浸水する」
「生コンプラント、ダンプが浸水する」
「採石場への輸送路が流出する」
「電気、電話などのライフラインが寸断される」
「土砂災害も災害に加えるべき」などの意見が出ました。
・2次災害については、採石場への輸送路の崩壊による公道の通行止めが出されました。
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第48号 2008.10.3
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<案内>第3回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第1回/全11回)第3回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第1回)
9月30日に第3回 久保興業BCP委員会が開催されました。今回は、この委員会の様子を10回に分けて報告します。
第2回委員会で、直面するリスクと各部署の重要業務の抽出作業を行いました。
重要業務については、取引相手や時間経過を考慮して再度抽出することにしました。
今回の委員会の目的は、@直面するリスクを確定する、A重要業務を確定する、B重要業 務を継続する業務フロー、そのための検討事項のイメージを共有することです。
今回の議論では、「最初から完璧なものを作ろうと難しく考えない」、「検討が進むと気が 付くこともあるので、現段階ではざっくりとした議論でも構わない」、「委員会のメンバーの 認識が共有化されることが重要である」という点に注意して議論をすすめていきました。
BCPでは全社で議論する雰囲気が重要です。
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第47号 2008.9.16
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<案内>第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第6回/全6回)第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(最終回)
今回は、「久保興業(株)BCP策定委員会」の委員長で、クボコングループの代表の尾崎 浩二 さんに感想をお伺いしました。*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
皆さんこんにちは、久保興業株式会社 代表取締役の尾崎浩二(BCP委員長)と申します。 まず弊社の事業概要を紹介致しますと、土木建設部・生コン事業部・砕石事業部・経理総務 部があり、売り上げの殆どが公共工事に関連している昔ながらの土建屋です。 今回、弊社がBCP策定に取り組む事になった契機は、「 現在、国道56号線の年間維持工 事、愛媛県の県道及び河川の年間維持工事を請け負っており、大災害時の初動体制を迅速に 整え、自社の持つ原資を最大限に生かしてインフラの早期復旧を図る事が我が社の使命だ」 (この時点ではBCP内容については、熟知していない・・・)という熱い思いがあったから です。
正直言って、今までのISOの取得経験が生かされスムーズに策定できるのではないか?と 高を括っておりました。確かに、自社のBCP委員の選定・組織・対外的打合せ・キックオフ 等そこまでは順調でした。しかし、案の定、社内での準備会を進めていくうちに、ISOは今 までの手順を基に考えていく事が出来ましたが、BCP策定にあたっては「何時、起こるかも しれない災害をどのくらいの規模で設定するか」と言う事が、過去に大災害に遭遇した事の ない弊社には、雲を掴むのと同じ位のイメージが湧きにくい事であるというのがネックであ ります。そしてまた一番の押さえ処でも有りますので、各設定を各事業部間(各事業部)で 共有する事が大切だと思います。(災害規模設定が難しぃ〜)
スタートしたばかりで、今後、様々な問題と対峙していくとは思いますが、弊社の利点・ 欠点を見直す良い機会と捉え、約1年を懸けて焦らずにBCPという険しい山頂目指し一歩、 一歩無理をせず登り、そして1年後には見事、久保興業BCP策定の登頂に成功する為にも、 私をはじめ社員一人一人が密にコミュケーションを図っていく事と、愛媛大学 鳥居先生の サポートを頂く事が大切だと思っております。
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第46号 2008.9.12
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<案内>第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第5回/全6回)第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第5回)
業務の影響度の評価については、とりあえず「得意先との関係」「社会的影響・批判」の 2項目に加え「許容時間」を各部署で評価することにし、「利益への影響」「売上への影響」 「資金繰り」については、委員会で議論することにしました。個人的な意見ですが、「利益への影響」「売上への影響」「資金繰り」については、本来 は財務の知識と定量的な分析が必要な項目です。ここで、あまり悩んでいると先に進めなく なってしまいます。中小企業の場合、高度な分析をしなくても、委員会で判断・合意が形成 できるのではないかと思います。
また、重要度は許容時間の短いものほど高い傾向があるのではないか。各部署が提案した 許容時間が妥当なのか、許容時間を長くするには何を行えばいいのか。などを委員会で影響 度考える材料として追加しました。
中小企業の場合は、前段の業務リスト、取引関係を整理することが、BCPの目標である重要 業務の早期復旧には重要だと思います。
以上の点を踏まえて、次回の委員会で再度、重要業務の候補の影響度の比較を実施するこ とになりました。
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(文責:鳥居)
第45号 2008.9.10
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<案内>第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第4回/全6回)第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第4回/全6回)
続いて「重要業務候補の影響度の比較」に取り組みましたが、資料の作成に苦労されたよ うです。マニュアルには、影響度の評価について、「利益への影響」「売上への影響」「資金繰り」 「得意先との関係」「社会的影響・批判」について、出来るだけ定量的に影響度を検討して 重要業務を選定すること、となっています。
この評価項目に気を取られ、業務リストアップが上手く出来なくなったようです。「利益」 「売上」「資金繰り」に影響を及ぼすもの、すなわち「工事」と連想が働き、業務が「工事」 の1つに集約されていました。
まず、正確な業務リストを作成することが不可欠です。正確な業務リストを作成するため に、
@日常業務と災害時の業務の2種類に分けて考える。
A日常業務については、取引先を念頭に作成する。
B災害時の業務は、時系列的に発生する業務をリストアップする。
ことにしました。
また、「災害時の業務としての取引先への自社の被災状況の報告は、信頼の向上になり、 取引先との連絡体制の確保、復旧工事の受注機会につながる可能性があるのではないか。」
という議論も出ました。
さらに、正確な業務リストを作成することは、日常の業務の見直しにも有効だと思います。
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(文責 鳥居)
第44号 2008.9.8
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<案内>防災教育に関する研究の学位審査論文の公聴会が開催されます。防災教育に関する研究の学位審査論文の公聴会が開催されます。
新居浜市の防災教育について、当センターと共に活動し、その成果を取りまとめて学位論 文として提出されている松本美紀さんの公聴会が下記要領で開催されますので、奮ってご参 加ください。特に申込は必要ありません。日 時:平成20年9月9日(火) 10時〜11時
会 場:工学部2号館2階 15番講義室
内 容:【10:00-11:00】(愛媛大学大学院理工学研究科学位申請論文公聴会)
「防災まちづくりにおける地域住民動員方法の確立」
愛媛大学大学院理工学研究科 松本 美紀
※これにあわせて、同じ会場で、矢田部先生の講演会も行いますので、あわせてご参加 ください。
【9:30-10:00】「防災教育を通した地域づくり・国づくり」
愛媛大学防災情報研究センター 矢田部 龍一
直前のご案内になって申し訳ございませんが、多くの方のご来場をお待ちしております。
第43号 2008.9.5
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<報告> 第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第3回/全6回)第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第3回)
今回は、直面する災害・事故リスクについてです。直面する災害・事故リスクについては、各部門から地震(南海・芸予・日向灘)、洪水(小 田川)の他に新型インフルエンザ、火事が挙げられました。議論の中では、
@地震、インフルエンザの場合、広域的な災害になるが、洪水は局地的であり自社のみが 被害を蒙る恐れがあり、会社へのインパクトが大きいかもしれない。
A地震時にどのように安否確認すればいいのか。参集できる人は何人いるのか。
B地震直後では、砕石、生コンの需要は減る。砕石場の重機を復旧工事へ、砕石、生コン の従業員を災害復旧、災害ボランティアへ、回せるのではないか。
などの意見が出されました。今後、災害・事故の規模と検討の優先順位を議論することにな ります。
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(文責:鳥居)
第42号 2008.9.3
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<報告> 第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第2回/全6回)第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第2回)
・委員会を始める前に、委員から質問がありました。「BCPは、会社全体で1つの物として捉えて考えるものなのか?それぞれの部署で考えて 部署単位で進めるものなのか?部署単位で考えて進めていき最終的に1本にまとめる物な のか?」
・私からは、次のようにお答しました。
「日本の企業の特徴の1つに、平常時の業務が各部門毎に極めて最適化されてきたため、 災害時の対応も部門毎に実施されることが多かった。災害時に各部門で対応することは非 効率になる可能性があるが、今までは経済成長が非効率を顕在化することなく、乗り切る ことができた。
一方、BCPにおいては、ある部門の資源(従業員、事務機器)の一部が使えなくなって おり、その部門だけでは重要業務を継続できない状況(被災のレベル)を想定すべきであり、 他の部署からの一時的な応援が必要となるため、部署を越えた全社的な対応を検討するこ とになる。
そのためには、何が会社の重要業務であるのかを、全社員が認識・合意することが重要 である。このためには、各部門が災害時には何をしなければならないのかをお互いに理解 することから始めなければならない。計画の策定の過程では、各部門で検討してきた資料 を前提として、どの部署のどの業務を会社としての重要業務とするかを決定し、不足する 資源を会社をあげてどのように対応すればいいのか、などを議論することになる。また、 重要業務は時間とともに変化するものである。」
次回からは、委員会での議論を中心に報告します。
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(文責:鳥居)
第41号 2008.9.1
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<報告> 第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。(第1回/全6回)<報告> 第2回 久保興業(株)BCP策定委員会が開催されました。
8月26日17:00〜内子町五十崎の久保興業本社で第2回委員会が開催されました。第1回委員会では、社長によるキックオフ宣言が発表され、第2回委員会では、@直面する 災害・事故リスク、A重要業務(中核事業)の候補の影響度比較について、社内各部署で検 討された結果が発表されました。ちなみに、委員会は、土木建設部門、砕石部門、生コン部 門、総務部門で構成されています。6回に分けて委員会の議論の内容を報告します。
今回は、第1回委員会後に社員全員に発信されたキックオフ宣言です。
*・*・*・*・*・*・*・*・『BCPキックオフ宣言』・*・*・*・*・*・*・*
(備えあれば憂いなし)
私たちを取り巻く経営環境は、今まで経験した事もない、大津波に襲われています。その 時流の大津波に呑み込まれない為にも、今まで以上に、行動力・組織力・地域連携力そして 経営力など全てにおいて他に負けないクボコムグループにする事が重要と捉え、今年の目標 を「強いクボコムグループ」と致しました。
そのアクションの一つとして、BCPの策定に取り組み、自社の弱点を分析して早期に発見 し改善する事によって、この厳しい経営環境を生き抜く事が出来ると考える。また、自然災 害が及ぼすダメージを会社の大きなリスクとして捉え、他の企業に先駆けて取り組むことが 自社のアドバンティージとなり、目標に掲げている「強いクボコムグループ」を確立する為 の力となる事を確信し、このBCPの策定に全力をあげて取り組む事を宣言する。
平成20年7月22日
クボコムグループ
代表 尾崎 浩二
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これから、社員に意識を浸透させる方法についてもBCPの策定と並行して、委員会で議論 していきたいと思っています。
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