防災情報研究センターニュース
第120号 2010.2.16
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<ご案内>第三回 四国GISシンポジウム開催のご案内<ご案内>第三回 四国GISシンポジウム開催のご案内
この度、愛媛大学GIS研究会では、GIS学会四国支部との共催で第三回四国GISシンポジウムを開催する運びとなりましたので、ご案内いたします。
参加費無料、GISに興味のある方はどなたでもご参加いただけますので、お気軽にご来
場下さい。
日 時:平成22年2月23日(火) 9:00〜16:30
場 所:愛媛大学総合情報メディアセンターメディアホール
定 員:100名
式次第: 9:00〜14:15 一般講演(セッションA〜C)
14:30〜15:30 特別講演
15:30〜16:30 パネルディスカッション
(詳細は下記をご覧下さい)
・参加費無料
・事前申し込み不要です。当日直接会場にお越し下さい。
<懇親会『四国GIS交流会』のご案内>
シンポジウム終了後、懇親会を下記の要領で計画しております。是非ご参加下さい。
※懇親会のみの参加の方も大歓迎です。
日 時:2月23日(火) 17:00〜19:00
場 所:大学会館2階 リーセス(学食2階)
会 費:2,500円〜3,000円程度 (調整中)
会場の準備の都合がありますので、懇親会の参加に関しては、2月22日(月)までに
下記に申し込みをお願い致します。
<申し込み・問い合わせ先>
愛媛大学GIS研究会事務局 (社会連携支援部社会連携課社会連携拠点チーム)
津守 玲子
TEL:089-927-8142
FAX:089-927-8820
E-mail:kensien@stu.ehime-u.ac.jp
<プログラム(詳細)>
9:00〜10:15 セッションA
A-1 ALOSによる四国全域ベースマップの構築
高知工科大学 工学部 野村 洋
A-2 ALOS PRISMによる三次元データ作成
高知工科大学 工学部 小島 光博
A-3 人工衛星画像による植生図作成と現地調査データベースの構築
高知工科大学 工学部 箭野 伸弥
A-4 Landsat/TMを用いた土地被覆と地表面温度の関連性分析
高知大学 農学部 児玉 智広
A-5 Large-scale Landslides in Central Nepal: Causes, Trends,
and Landslide Area Designation
愛媛大学大学院 理工学研究科 Manita Timilsina
10:30〜11:45 セッションB
B-1 低密度航空機LiDARによる森林生産ポテンシャルの広域評価法の開発
森林総合研究所 高知支所 小谷 英司
B-2 統計資料と地理情報システムを用いた高知県の森林環境の解析
高知大学 農学部 大加戸 美奈実
B-3 衛星データを用いた階層的竹林分布判読手法の検討
香川大学 工学部 保積 聖也
B-4 勝瑞遺跡デジタル博物館の開発
徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 玉有 朋子
B-5 地区別世帯数予測モデルの開発
徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 渡辺 公次郎
13:00〜14:45 セッションC
C-1 フィールドでのGISデータ収集
(株)ジツタ 宮内 建史
C-2 集中豪雨を想定した防災マップ作成に関する研究
香川大学 工学部 清水 瑛
C-3 地理情報システムを活用した南国市における洪水被害の推定に関する研究
高知大学 農学部 越宗 遥
C-4 四国の防災GISマップ-活断層・地すべりと地質・地形・社会的要素
愛媛大学 防災情報研究センター 教授 山岸 宏光
C-5 四国地域主要道路ネットワークにおける地震時斜面崩壊ハザード
および道路健全性評価
愛媛大学大学院 理工学研究科 助教 Netra P. Bhandary
14:30〜15:30 特別講演
S-1 歴史空間情報を活かした地域の再発見
徳島大学 地域創生学科 准教授 田中 耕市
S-2 GISと地域活動のかかわり
NPO法人 GIS総合研究所 理事長 川添 博史
S-3 愛媛におけるGISの利活用
(株)瀬戸内 代表取締役 野間 信宏
15:30〜16:30 パネルディスカッション 『GISと地域活性化』
パネラー 徳島大学 地域創生学科 准教授 田中 耕市
NPO法人 GIS総合研究所 理事長 川添 博史
(株)瀬戸内 代表取締役 野間 信宏
(株)ダイナックス高松 代表取締役 大和田 昭邦
コーディネータ 愛媛大学 法文学部 准教授 堤 純
<愛媛大学GIS研究会のHP>
http://www.soil.cee.ehime-u.ac.jp/gis-rg_eu/
第119号 2010.2.15
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<ご案内>「第2期えひめ建設BCP研究会」参加企業の募集について<ご案内>「第2期えひめ建設BCP研究会」参加企業の募集について
建設業BCP懇談会愛媛県部会は,BCP策定を志す愛媛県内の建設会社等を支援するため,下記要領で「第2期えひめ建設BCP研究会」の参加企業を募集します.
参加を希望する企業は,事務局までお申し込みください.
建設業BCP懇談会愛媛県部会
(構成機関) 愛媛大学防災情報研究センター,国土交通省県内事務所,愛媛県,
(社)愛媛県建設業協会,(社)建設コンサルタンツ協会四国支部,
(社)愛媛県測量設計業協会,(社)四国地質調査業協会愛媛支部
記
1.募集期間
平成22年2月15日〜平成22年3月3日
2.募集対象
・国土交通省四国地方整備局における平成21・22年度一般競争参加資格の内,
@「一般土木工事」の「C等級」に認定されており,愛媛県内に営業拠点
(建設業法の土木一式工事の許可を有する本店)を有する者.
A「アスファルト舗装工事」の「B等級」に認定されており,愛媛県内に
営業拠点(建設業法のほ装工事の許可を有する本店)を有する者.
なお,経常建設共同企業体においては,愛媛県内に構成員の内、代表者の
本店を有すること.
・国県市町と災害協定を締結している建設コンサルタント,測量調査会社・
地質調査会社(愛媛県内本社)
3.研究会活動
(期 間)平成22年3月〜6月
(日 時)3月10日(水)・・・13:00〜15:00
4月14日(水),5月12日(水),6月9日(水)・・・15:00〜17:30
(場 所)愛媛大学メディアホール(松山市文京町3番地)
(参 加 者)1企業2名まで
(ただし応募企業が多数の場合1名とさせていただく場合があります)
(会 費)一人10,000円(ただし、通信費・資料印刷費・外部講師謝金として)
(活動内容)
1)参加企業は,「災害時の事業継続力認定審査要領」(四国地方整備局)に
基づき,自社において毎月「確認項目」注1)を2項目ずつ作成する.
2)研究会では,参加企業は作成上の課題について報告し,参加企業,建設業
BCP懇談会愛媛県部会の参加者からアドバイスを受ける.
さらに,次回までに作成を予定している「確認項目」のポイントについて
建設業BCP懇談会愛媛県部会が解説する.
3)参加企業は,今後のBCP普及のために必要な情報を収集するために研究会が
課すレポートを毎回提出する.
(そ の 他)
研究会に参加する企業は,以下の点についてご承諾いただく必要があります.
@ BCP策定に全社を挙げて取り組む意欲があり,第1回研究会までに社内の
策定体制を確立し,BCP策定の基本方針を決定していること.注2)
A 社内にBCP策定責任者を選定し,定期的に開催される研究会に毎回出席
させること.
B 研究会に提出したレポートを統計的に処理したデータを建設業BCP懇談会
愛媛県部会が公表すること.
C 建設業BCP懇談会愛媛県部会から要請があった場合,シンポジューム,
学会等で自社の取り組みについて発表し,また次期研究会に講師として
参加すること.
注1):「確認項目」は,「災害時の事業継続力認定審査要領」(四国地方整備局)
の「4−1評価内容」の「確認項目」を指します.
注2):策定体制,基本方針は,「愛媛県BCPステップアップ・ガイド」第2部
<ステップ12>を参照にしてください.
「愛媛県BCPステップアップ・ガイド」は,同名で検索するか,
次のホームページアドレスより確認することができます.
http://www.pref.ehime.jp/h30100/bcpstepupguide/index.htm
4.申込方法
会社名,会社所在地住所,参加者氏名,役職,連絡先(メールアドレス,電話,
FAX)を明記のうえ,メール又はFAXで下記事務局までお申し込みください.
(事務局)
愛媛大学社会連携支援部社会連携課 社会連携拠点チーム
FAX 089-927-8820 E-mail kensien@stu.ehime-u.ac.jp
5. その他
@建設業BCP懇談会愛媛県部会では,研究会の参加した企業の内から優秀なBCPを策定
した企業を表彰する制度の運用を今年度から始めることを予定しています.
A今回の研究会から本格運用に入り,4回の研究会に参加した者には,CPDS:8単位が
付与されます.(※一度欠席すると付与されません(代理も不可).
また,この講習会はカードリーダーによる学習履歴申請を行いますので,
磁気帯の付いたCPDS技術者証をお持ちの方は最終回に会場までお持ち下さい)
以上
第118号 2009.12.14
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<ご案内>落石対策に関するシンポジウム開催のご案内<ご案内>落石対策に関するシンポジウム開催のご案内
(社)地盤工学会四国支部落石対策研究会では,2年半にわたって落石対策に関する研究を行ってきました。この度,その成果を「落石対策Q&A」として出版することになりまし
た。出版を記念して表記のシンポジウムを開催します。また,シンポジウムの後で交流会
を行います。多数の方のご参加をお願いいたします。
記
■第1部 シンポジウム
主催:地盤工学会四国支部落石対策研究会,愛媛県地盤工学研究会
後援:愛媛大学防災情報研究センター
日時:平成21年12月22日(火) 13:30〜17:00
会場:愛媛大学総合情報研究センター(メディアホール)
参加費: 無料
内容:
13:30〜13:35 開会挨拶 矢田部龍一(落石対策研究会会長
) 13:35〜14:15 基調講演 『落石対策における現状と今後の展望』
吉田 博(金沢大学名誉教授・工学博士,技術士)
14:15〜14:25 休憩
14:25〜16:55 パネルディスカッション
コーディネーター 矢田部龍一 (愛媛大学副学長)
パネリスト
須賀幸一 ((株)芙蓉コンサルタント常務取締役)
吉村和司 ((株)荒谷建設コンサルタント四国支社 技術部次長)
能野一美 ((株)四電技術コンサルタント)
高森秀次 (五大開発(株))
右城 猛 ((株)第一コンサルタンツ取締役社長)
筒井秀樹 ((株)ロイヤルコンサルタント代表取締役社長)
加賀山肇 (日本プロテクト(株) 代表取締役社長)
16:55〜17:00 閉会の挨拶 鳥居謙一 (愛媛大学防災情報研究センター副センター長)
■第2部 交流会
日時:シンポジウムの後, 17時30分より
会場:愛媛大学職員会館 2階会議室
参加費: 4,000円
■参加申込み
参加される方は、氏名、所属、メールアドレス、電話番号を明記して、
メール(nakajima@cee.ehime-u.ac.jp)、もしくはFAX(089-927-9817)で申し込んで下さい.
締め切りは12月18日(金)です.
■「落石対策Q&A]は会場にて当日販売いたします。(詳細はこちら↓)
http://isabou.net/Convenience/tool/saigai_bon/rakuseki.asp
第117号 2009.12.8
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<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたD<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたD(最終回)
【総合防災フォーラムにおける新型インフルエンザ感染防止対策について】総合防災フォーラムにおける新型インフルエンザ感染防止対策は以下の通りです。
イベントを開催される際には参考にしてください。
1.座席間の間隔を確保するため広めの会場を用意した
2.消毒液を用意した
3.マスクを配布した
4.体温計を用意した
5.会場入り口に注意喚起の張り紙を掲示した
「来場の皆様へのお願いー新型インフルエンザ感染防止―
@発熱やせきなどの症状があり、体調が悪い時は参加を自粛してください。
(体温計は受付に用意してあります。)
A咳が出る場合には「咳エチケット」を励行するように心がけてください。
(マスクを受付に用意しています。)
B設置されている消毒液を活用し、感染防止に努めてください。
C座席の間隔を開けてご着席ください。」
6.会場内に注意喚起のポスター(厚生労働省作成)を掲示した
7.開演前にスクリーンに「咳エチケット」を説明するスライドを映写した
8.セルフ受付方式の実験(参加申し込みとの照合をせずに、芳名カード投函による
参加者の確認)
9.関係者のマスクの着用
反省点としては、
1. 開催案内に@発熱やせきなどの症状があり、体調が悪い時の参加自粛の要請、
Aマスクの持参、B中止の場合の連絡方法を記載すべきである。
2. セルフ受付方式を説明する会場内案内看板が必要。
以上です。
第116号 2009.12.7
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<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたC<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたC
前回に引き続き、総合防災フォーラムの報告を行います。【話題提供D】『新型インフルエンザ対策としての事業継続計画』
愛媛大学防災情報研究センター 副センター長・教授 鳥居 謙一
BCPとは、企業が被災した際に重要業務をいかに継続するか、あるいはいかに速やかに
再開させるかを考える企業戦略として欧米で取り入れられてきた。日本では、企業の社会
維持機能を守ることを目的に、行政主導で導入が呼びかけられてきたのが特徴である。
通常、BCPは地震などの自然災害を想定している。しかし、複数の種類の自然災害が同
時に発生する可能性は低いが、新型インフルエンザの流行は長期間続き、その最中に地震
や洪水等の自然災害が起こる可能性は、比較的高いと考えられている。また、今回の弱毒
性の新型インフルエンザを教訓に、今後確実に発生するとされる鳥由来の強毒性の新型イ
ンフルエンザに備えておく必要がある。
地震などの自然災害は、突発的、局地的に発生し、被害をコントロールすることは困難。
一方、新型インフルエンザは進行性の災害で、長期間に渡り世界レベルで発生するが、人
々の努力により、被害をコントロールすることが可能。手洗いや、うがい、マスクの着用
を個々人が行うこと、企業が、社員の健康管理をし、通勤形態や会議・出張の在り方を検
討することによって集団感染を防ぐことができ、その努力が企業の事業継続にもつながる
し、病院等の機能の麻痺を防ぐという社会貢献につながる。
企業が事業を継続するには、まず、職場内の集団感染を防ぐことが重要ということを認
識してもらいたい。
【アンケート報告】
当日配布したアンケートの集計の結果(回収率約60%)では、現在流行している新型イ
ンフルエンザへの対策は必要かとの問いに対し、57%の方が非常に重要、30%の方が少し
重要と回答をしているのに対し、今後の流行が懸念されている高病原性新型インフルエン
ザ対策の必要性に対しては、77%の方が非常に重要、15%の方が少し重要と回答し、高病
原性の新型インフルエンザへの危機感が高まっていることを示した。しかし、企業内の対
策は7割近くの方が十分ではないと回答し、その理由として、会社としての危機感がない
こと、情報や知識が不足していることが挙げられている。また、現状で取り組んでいるイ
ンフルエンザ対策は、うがい・手洗い・マスクの着用が主で、BCPの策定状況も公務員以
外では4人が選択するにとどまっている。
6割以上の人々が、5年以内には高病原性新型インフルエンザの流行が発生すると考えて
いるが、BCPは、1日2日で作成できるものではなく、また策定後の社内での周知徹底も必
要であることを考えると、今からBCPの策定を始めて備える事が必要であると考える。
第115号 2009.12.2
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<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたB<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたB
前回に引き続き、総合防災フォーラムの報告を行います。【話題提供B】『四国地方整備局の新型インフルエンザ(A/H1N1)への対応について』
国土交通省四国地方整備局 防災課 課長 山本 博久 氏
山本課長には、整備局での対応を含め、BCPを策定する上での留意点についてお話をし
ていただきました。
本省では、4月に、国土交通省新型インフルエンザ対策本部が設置され、9月には局長・
課長級会議において、BCPの策定やマニュアルの作成が決定された。新型インフルエンザ
用BCPの策定上の前提条件としては、@感染力は強いが弱毒性、A職員の欠勤率20%、B社
会のインフラは概ね維持、が挙げられる。優先業務は、@新型インフルエンザ対策で、続
いてA国民生活に必要なサービス業務、Bその他の業務とされた。
四国地方整備局では、4月28日に危機管理室を設置し情報収集に当たった。防災課は、
通常は東南海・南海地震対策の業務をメインに行っている。課員それぞれの仕事内容が、
相互にまたがっているため、欠勤率20%であればカバーするのは比較的容易ではないかと
考えている。また、意思決定方法については、平常時の意思決定者や、代決相当者が不在
になる可能性が考えられる。その際、その上位者に意思確認を取るようになるため、最上
位者の局長との連絡手段の確保は必要。局外にいても連絡が取れるよう、携帯電話やメー
ルはもとより、WebカメラとPCを利用したTV会議方式も検討している。
新型インフルエンザ向けのBCPの策定上の留意点として、下記が挙げられる。
・感染力が非常に強いので、早めに体制を移行することが必要。
・業務内容の変更や人事異動など、BCP策定時と日々状況は変わってくる。
必要に応じて、計画の修正が必要である。
・職員への周知徹底が必要。計画時に想定していなかった事態が起こる可能性は、非常に
高い。どんな事態になっても対処できるよう、日頃から、図上訓練、頭の体操が必要だ
と考える。
【話題提供C】『大学入試における新型インフルエンザ対応
〜受験機会の保障と公平性の確保〜』
愛媛大学アドミッションセンター 副センター長・准教授 井上 敏憲 氏
井上先生には、入試業務に新型インフルエンザが与える影響と、今後の入試への対応に
ついてお話をしていただきました。
一口に入試といっても、一般入試や、推薦入試、AO入試など、複数の種類の入試があり、
学部や大学院ごとに日程が異なる場合もあるので、一年中入試を行っているといっても過
言ではない。よって、追試を行うとしても、他の様々な部分に影響を及ぼすことになる。
推薦や、AO入試は、大学独自にルールを決めて実施できるが、一般入試は、試験日等全国
の国立大学で統一的に実施するものであり、対応には慎重。10月には、本試験の一週間後
に追試験を実施することが決定した。
センター試験の追試験は、これまでの1週間後から2週間後に変更になった。それを受け
て、成績提供が2月2日から2月5日に変更になっている。私立大学で、センター試験を利用
した入試を採用しているところも増えているが、それらの合格発表が当初の予定より延期
されることは必至。それに伴い、併願している大学の受験や入学金の納付等、受験者への
影響も大きいだろう。
入試担当者の業務も、追試験を実施することで2倍近くに増えることになり、ミスを犯
す確率も高くなってしまう。また、受験者の公平性の確保と言っても、難易度が同じ問題
を2種類用意する必要があるが、逆に同じレベルの問題であれば、追試験の受験者の方が、
勉強時間がさらに増えるため、優位になるのではないかという見方もある。完全に公平な
対応をすることは難しい。
第114号 2009.11.30
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<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたA<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しましたA
前回に引き続き、総合防災フォーラムの報告を行います。【話題提供@】『県内企業の緊急事態への対応力はいかに〜新型インフルエンザを中心に〜』
(株)いよぎん地域経済研究センター(IRC) 主任研究員 篠原 敏夫 氏
篠原氏には、IRCが県内企業に行った、新型インフルエンザの影響と対策に関するアン
ケート結果について、ご紹介をしていただきました。
IRCでは、5月の日本国内感染者の確認を受けて、7〜8月に愛媛県内に事業所を持つ法人
にアンケートを実施。有効回答数は332社で、内訳は、東予が42.2%、中予が45.3%、南予
が12.5%となっている。業種は、44.4%が製造業で、55.6%が非製造業である。
全体の約2割の業者がインフルエンザの影響を受けたと回答しており、業種別では、宿
泊業者の9割近くが、団体客を中心に予約のキャンセルや、延期等で影響を受けたと回答。
逆に小売業は、マスクや消毒液などの衛生資材を中心に売り上げが増加。飲食店も外出自
粛により売り上げは減少したが、宅配部門の売り上げが増加していると回答した。
新型インフルエンザ対策の策定状況について、全体の5割弱の企業が策定の予定が無い
と回答。企業規模の小さい会社ほど、対策が進んでいないようである。また、感染予防策
として、手洗い・うがいの励行や、マスクの着用は大半の企業が取り組んでいるが、流行
期における外出や対面会議の縮小、欠勤者が出ても事業を継続できる体制づくり、ラッシ
ュ時の公共交通機関を避ける通勤体系の採用等の対応を取っている企業はそれぞれの項目
で3割程度しかない。
新型インフルエンザを含めた災害時の事業継続計画の策定状況としては、策定済みなの
は県内企業の7.3%にとどまり、7割近い企業が今後も策定予定は無いと回答している。企
業規模別に見ると、新型インフルエンザ対策と同様に、規模の小さい会社ほどBCPの策定
に消極的な傾向が見られる。
【話題提供A】『伊予銀行の新型インフルエンザ対応の概要』
(株)伊予銀行 総合企画部 課長代理 石川 真臣 氏
石川氏には、伊予銀行が策定している新型インフルエンザ用BCPについてご紹介してい
ただきました。
顧客や職員などの人命確保のために、感染予防策、感染拡大予防策を十分に講じながら、
最悪の場合でも、最低限の業務を継続して地域の金融機関としての使命を果たすためBCP
を策定している。現在の新型インフルエンザは弱毒性であるが、今後、強毒性に変異する
可能性もあり、また、強毒性の鳥インフルエンザも別途発生しているので、当行ではより
深刻な被害が発生した場合にも対応できるよう、強毒性を想定したBCPとなっている。よ
って、今回流行している新型インフルエンザに対しては弾力的に運用している。
<BCPの概要>
・1支店内での発生の場合は、他支店より応援要員の派遣を行い対応
・応援要員の派遣が困難になってきた場合には、取扱業務の絞り込みを行う。
・絞り込みを行っても、業務継続が困難な場合、営業店舗自体の絞り込みを行う。
。 <感染予防対策など>
・海外出張・渡航の自粛・禁止
・会議・研修・出張等の自粛・禁止
・手洗い・うがい、咳エチケットの励行
・マスクや手指消毒液等の備蓄
<今後の課題>
・非常事態には、優先業務や、店舗に人員を集中的に投下していくため、応援要員は、
通常業務とは異なる業務を行う必要が出てくる。各役職員のスキルマップを作成し、
必要に応じて研修などを行い、代替要員の育成を行う。
・重要業務の継続方法の検討
・人命確保と社会機能維持の両立
第113号 2009.11.25
今回のコンテンツ
<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しました@<ご報告>総合防災フォーラム 2009を開催しました@
平成21年11月10日(火)、松山市民会館中ホールにおいて、『総合防災フォーラム 2009―新型インフルエンザに立ち向かう―』を開催しました。県内の自治体職員等行政関係者
や、大学関係者、建築・土木業を中心とした民間企業より、約100名の参加がありました。
遅くなりましたが、足元のお悪い中ご出席いただいた皆様、ありがとうございました。
改めて、お礼申し上げます。
今回の講演の内容について、報告を致します。
【基調講演】 『感染制御と新型インフルエンザ対策』
愛媛大学大学院医学系研究科 小児医学 准教授
愛媛大学医学部附属病院 感染制御部 副部長 田内 久道 氏
田内先生には、実際に医療現場で働いておられる経験を基に、@感染制御学とは何か、
A今回の新型インフルエンザについて、そして、Bインフルエンザの感染を防ぐにはどう
すれば良いのかという点について、お話をしていただきました。
<@感染制御学とは何か>
・伝染性のウィルスを保有している患者の治療時に、医療スタッフがどのような対策を取
れば良いのか。院内感染を防ぎ、また自分の身を守りながら、どのように治療をするの
か。というところから始まった学問で、米国疾病予防管理センターが中心になって、医
療現場へ様々な勧告を出している。
<A今回の新型インフルエンザについて>
・愛媛県では、10月以降に感染者が急増。特に東予地方に多い。
また、全国的に流行は若年層に多く全感染者の8割5分が20歳以下。考えられる理由は、
@小学生〜大学生の学校生活は、他者との距離が近い。A大人は、過去の免疫が役に立
っている可能性がある。B過去のスペイン風邪等の流行を見ても、まず若年層から流行
る。(→今後成人に流行る可能性が高い。)
・インフルエンザ脳症に罹った子供が相次いで亡くなり報道されているが、これまでも毎
年、季節性のインフルエンザで亡くなる子供はいた。今年が特別ではない、ということ
を知って貰いたい。今年の死亡例ばかりを取り上げるのは、偏った報道ではないか。
<Bインフルエンザの感染を防ぐには>
・インフルエンザはウィルスで感染するだが、ウィルスは人体に入らないと増殖できない。
また、ウィルスが鼻や口から入り、鼻や口の奥の粘膜に張り付いて初めて感染したこと
になる。よって、髪や手足に付着していても感染したことにはならない。
※マスク・・・・ウィルスを持っている人が、他人に移さない為に効果的。
ウィルスは、人の咳やくしゃみの飛沫に乗って体外へ出る。飛沫(2メートル程度は
飛ぶ)を周囲に拡散しないために効果的。また、狭い空間に大勢の人がいる場合、感
染者が放出したウィルスが口や鼻に入るのを防ぐのに有効。マスクが無ければ、咳エ
チケットを行うことで対応可能。
※手洗い・・・・手に付着したウィルスをこまめに洗い流すことが重要。
日常生活の中で、手すりなど大勢の人間が何度も触る場所に、インフルエンザウィ
ルスが付着している可能性は高い。触った人の手を介してウィルスが口や鼻に入る確
率は非常に高いので、こまめに手洗いを行うことは重要。
また、インフルエンザウィルスはアルコールに弱いため、アルコール消毒を行うこ
とも有効だと考えられる。
※組織での健康管理
体調不良であっても、人員不足や仕事の都合上、無理をして出勤する人が多い。も
し、インフルエンザに感染している場合、職場内での感染を拡大してしまうことにな
る。体調不良、とりわけ熱が出ている人をどうするのかということを決めておくのは
大事。また、インフルエンザに感染していても、陰性と判断されることがあるので、
解熱後48時間は自宅待機ができるような配慮が望ましい。
<まとめ>
地震などの災害と新型インフルエンザの違いは、準備ができるかどうかだと考える。
地震はいつ発生するのかわからないが、インフルエンザの流行期はある程度の予測が可能。
また、来年の3月末頃まで、季節性のインフルエンザも含めて流行が続くと考えられ、長期
戦になるため、日常生活に無理なく取り入れる事ができる感染対策を気長に実施すること
が大切である。
第112号 2009.11.16.
今回のコンテンツ
<ご案内>特別講演会開催のご案内<ご案内>ミャンマーでの竜巻災害の実態と復興状況、海外援助業務に関する特別講演会
ミャンマー国は、2008年5月2日に大型のサイクロン・ナルギスの襲来を受け、死者・行方不明者が10万人以上にもなる甚大な災害を被りました。この災害復旧のため、NPO法人「ブ
リッジ・エーシア・ジャパン(BAJ)」は、小学校などの教育施設の再建や橋や港湾などの社
会基盤施設の復興に尽力されて来ております。BAJの束村康文博士は、この復興事業の前線
で業務の統括などを担当されている技術管理者であり、愛媛大学を卒業後、一貫して東南ア
ジアにおける海外援助業務に携わってきておられます。
今回、束村康文博士には、主にサイクロン・ナルギスの被災実態と復興状況について講演
していただきますが、副次的にご自身の豊富な海外援助業務の経験についてもお話しをして
いただく予定です。このような海外業務の経験談は、海外援助業務を目指すときの心構えや
現場対応に必要な知識やその習得方法などに関して大いに役立つものと考えられます。
年末のお忙しい中とは存じますが、奮って参加いただきますようにご案内申し上げます。
特に、将来において東南アジア諸国での海外援助業務に携わってみたいと考えておられる
技術者および学生諸氏には積極的な参加をお願いする次第です。
講演会日程と概要
日時:平成21年12月15日(火) 15時〜16時30分
場所:愛媛大学工学部講義棟4F 42番講義室
講師:NPO法人「ブリッジ・エーシア・ジャパン(BAJ)」
ミャンマー国駐在代表 束村 康文 博士
演題:『サイクロン・ナルギスの災害とその復旧−BAJの果たす役割』
主催:愛媛大学工業会
共催:愛媛大学工学部環境建設工学科、愛媛大学防災情報研究センター、
(社)土木学会四国支部愛媛地区
世話人・問い合せ先
愛媛大学工学部環境建設工学科 中村 孝幸
〒790-8577 松山市文京町3番 TEL : 089-927-9835
Fax : 089-927-9851
Mail: nakamura@dpc.ehime-u.ac.jp
第111号 2009.10.30
今回のコンテンツ
<ご案内>『総合防災フォーラム 2009−新型インフルエンザに立ち向かう−』開催のご案内<ご案内>『総合防災フォーラム 2009−新型インフルエンザに立ち向かう−』開催のご案内
メルマガ第107号(10月16日)にて開催のお知らせをしていますが、演題が確定しましたので、再度ご案内致します。
防災情報研究センターでは、『総合防災フォーラム』を毎年実施しており、この度、
3回目を迎えます。今年は、-インフルエンザに立ち向かう-をテーマに実施します。
3月以降世界中で混乱を招いた新型インフルエンザを、災害と同様に企業の活動機能を
停止させる恐れのある社会リスクの1つとしてとらえ、年末に向け感染の拡大が懸念され
る中、社会全体の機能停止を避けることを目的に、インフルエンザの現状と社会としての
対策についてお話を伺います。
ご多忙な折りとは存じますが、多数のご出席をお待ちしております。
記
総合防災フォーラム 2009−新型インフルエンザに立ち向かう−
日 時:平成21年11月10日(火)13:30〜16:00(受付13:00〜)
場 所:松山市民会館 中ホール
主 催:愛媛大学防災情報研究センター
後 援:(社)土木学会四国支部、四国4大学防災関連研究センター連携協議会、
NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、
愛媛新聞社 (愛媛県:申請中)
定 員:300名
プログラム:
1.開会挨拶
2.基調講演(13:35〜 約60分)
『感染制御と新型インフルエンザ対策』
愛媛大学大学院医学系研究科小児医学
愛媛大学医学部附属病院感染制御部 副部長・准教授 田内 久道 氏
3.話題提供(14:45〜 各15分程度)
(1)『県内企業の緊急事態への対応力はいかに〜新型インフルエンザを中心に〜』
(株)いよぎん地域経済研究センター 主任研究員 篠原 敏夫 氏
(2)『伊予銀行の新型インフルエンザ対応の概要』
(株)伊予銀行 総合企画部 課長代理 石川 真臣 氏
(3)『四国地方整備局の新型インフルエンザ(A/H1N1)への対応について』
国土交通省四国地方整備局防災課 課長 山本 博久 氏
(4)『大学入試における新型インフルエンザ対応〜受験機会の保障と公平性の確保〜』
愛媛大学アドミッションセンター 副センター長・准教授 井上 敏憲 氏
(5)『新型インフルエンザ対策としての事業継続計画』
愛媛大学防災情報研究センター 副センター長・教授 鳥居 謙一
4.閉会挨拶 愛媛大学防災情報研究センター センター長・教授 柏谷 増男
申し込み・問い合わせ先:
『防災フォーラム参加申し込み』と明記の上、氏名、所属、連絡先(TEL、Mailアドレス)
を添えて、下記までメール又はFAXにてお申し込み下さい。
(10月30日を締切にしておりましたが、ご案内が遅くなりましたので延長します。)
愛媛大学 社会連携支援部社会連携課 社会連携拠点チーム
E-mail:kensien@stu.ehime-u.ac.jp
TEL:089-927-8142
FAX:089-927-8820